俺はまだ繋がれた手を強く握り返した。エレナードより頼りない事は自分でもよく分かっている。でも、俺もヘゥインの力になりたい。殺さなければいけない時ほど殺したくないという目をするヘゥインの心を守りたい。守れるくらい強くなりたい。

「寝よう。決戦は明日なんだろう?」

「体、痛めるなよー」

ヘゥインの頭を撫でたハウラムがやけに優しく見えた。そうか、犯人に会うという事は今一緒にいる誰かが亡くなってしまうかもしれないという事。もう、皆では会えなくなるかもしれないんだ。
俺たちはリオディナとミオラスの間に横になった。出来るだけ肌が密着するようにして眠った。必ず皆が皆を確認できるように手を繋いで。
固い床の上で眠ったはずなのに、面白いほどぐっすり眠れた。朝になって目が覚めると、まるで今までの疲れが全て抜けたかのように体が軽くなっていた。