カーレイジが不安がっているのもリオディナとミオラスがいなくなったせいだし、俺やゾーラ医師はそもそもハウラムが疑われる事くらい予想出来ていた。別に迷惑だとも思っていないし、やはりそう来たかというくらいの反応だ。
悪かったと申し訳なさそうな、でも安心したような笑顔をしたハウラムの目には彼女以外、写っていなかった。俺たちは視界にすら入っていなかった。彼女の事を愛おしそうに見詰め、信頼しきっている目で見詰め返され。まるで異性として愛し合っているかのような雰囲気があった。俺には絶対に割って入る事の出来ない壁があったんだ。

「そうだな。すまない」

「舞踏会、すぐに開けるそうだ」

レンが戻ってくると、中に入る事もなくゾーラ医師に開ける事を告げた。