ルーカスから渡されたガウンを羽織る

「どちらに行くんですか?」

「俺の特別な場所に連れていってやる」

そういうと、ルーカスはセレーナの手を取り城の一番高い場所に位置する部屋のバルコニーへとセレーナを連れて行く

「セレーナ姫、ようこそ我が国グラファイトへ。ここが君の第二の祖国になるグラファイトだ」

「すてき、、、」

それは息を飲むような夜景であった
グラファイトには大きな都市がある。
町には街灯が立ち並び、サヴェントとは違った煌めく夜景が目の前に広がった

「私の自慢の、大切な国だ。この部屋は俺の勉強部屋という所かな。ここからグラファイトの町をみてはこの国のため、民のため頑張ろうと思える、、、ここから見る景色をセレーナにも見せたかった」

「ルーカス様、、、」

この方も、国を民を愛される素晴らしい方なんだわ。私もルーカス様に見合う立派な妻になれるように花嫁修業頑張らなきゃ

そう思っていると、後ろからルーカスに抱き締められた

「あの、ルーカス、、様?」

「やっと捕まえた」


「えっ?」

「ようやく一目惚れした相手が私の腕の中にいるんだ」

すると一段と強くセレーナを抱き締めた

「ちょっ、ルーカス様苦しいですわ。それに、
ルーカス様ほどのお方が私のどこに一目惚れされたのか私には不思議でなりませんわ。その、私、、お転婆娘で有名でしたし」

「噂は聞いていた。どんな姫かと興味が湧いてね、セレーナに会いにサヴェントに訪れた事もある」

「?、、、でも私、ルーカス様にはパーティや舞踏会でしかお会いした事ないですわ」

「セレーナはそうだろうな。実はセレーナに会おうとサヴェントの城に向かう途中、町で人だかりを見つけてね、何かと思い近づくと、そこには綺麗なドレスを土で汚した女性が町の者と一緒に花を植え替えたり、歌を唄ったり、とても楽しそうにしている姿を見かけた。すぐに噂のセレーナ姫だと気づいたよ。あの時の民と楽しそうに笑っていたセレーナの笑顔に心奪われると同時に、妻に迎えたいと思った」

「ルーカス様は本当の私を見て下さっていたのですね」

「セレーナは私が大切に思う国を民をきっと大切にしてくれるだろうと思っている。厳しい花嫁修業も頑張っていた。父は少し頭の固い人間だが、大国を総べるためには必要な厳格さでもあると思う。父もセレーナの頑張りを見れば気持ちも変わるだろう。セレーナ、私と結婚してくれるか?」

「はい、喜んで」

強引にグラファイトに連れてこられた時は鬼のルーカス様と思っていたけれど、ルーカス様は素晴らしい方だわ。きっと民を導く国王になられる方。そして、私を理解してくれる方。