でも、その表情は一瞬だけだった。
「そうだ。麗王、今暇?お茶入れるから良かったら・・・」
すぐにいつも通りの妹の笑顔になった。
「うん、飲むー」
彼と妹は笑いながら家へ入って行く。
それに続けて私も玄関に入る。
2人はダイニングへ向かったが、私は自分の部屋へ向かう。

「アリアちゃん、僕アリアちゃんと一緒に」
「私は忙しいの」
彼の誘いを断り、自分の部屋に続く2階への階段を登る。
私は部屋に着くなり、机にテキスト、ノート、教科書、参考書を広げて勉強した。
すると、部屋の扉をノックする音が響く。

「入るね」
妹だ。
妹は扉をゆっくりと開け、部屋に入って来た。
「あのね・・・。その・・・。マリアちゃん・・・、一緒にお茶・・・」
「私、今忙しいの。見て分からない?」 そう冷たく言い放つと、妹は目に涙を浮かべた。
「ご、ごめん・・・」
「話はそれだけ?出てって」
妹は少し戸惑ったが、一度私の顔を見て、名残惜しそうに部屋を出て行った。
私は妹が嫌いだ。