「そろそろだね」

スマホの時計を見て、彼女が言う。

すると、辺りがだんだんと、明るくなってきた。

俺たちの目の前には、大きな岩があって、トンネルのような穴が開いている。

その穴の中で、太陽がグングンとその高度を上げる。

「そこに丸い門みたいなのがあるでしょ。そこの1番上こところに太陽がくると、ダイヤモンドの指輪みたいに見えるんだって」

「へぇ」

「それでね、その指輪をカップルで見ると、2人はいずれ結ばれるって言われてるんだよ」

「じゃあ、俺たちにピッタリだな」

「うん…」

彼女が顔を赤くして、俯く。

「美緒、ずっと一緒にいような」

「約束だよ」

「ああ」

「ほらほら、見て!」

「おおっ」

太陽は見事に、丸い石門のてっぺんで光っている。

本当にダイヤの指輪のようだ。

「これでずっと、一緒だ」



左を向くと、美緒が眩しそうに目を細め、ニッと笑っていた。



これからは、どんな時も楽しく過ごせると思う。



なぜなら美緒、





きみという、『太陽に照らされて』生きていけるから。