凛が私を好きなら、本気ならこのままがいい。

何を高望みしてたの?

私なのに……



「 凛、私ね、太陽さんに俺と付き合わないかって言われたの… 」

「 は!? な、ふざけ… 」

「 でも!凛だったの、私は凛なのっ 」



ギュッと凛に抱きついた。

今までとは違う感情で……



「 羽奈?」

「 凛が私を思うなんて幼馴染みだからそれ以上でもそれ以下もないって思ってた。だって、凛がいるのが当たり前だから… だから私今が当たり前すぎてたの 」



今さら気づくとは…

当たり前の感情に隠れてたんだ。

凛を特別なのは、凛が好きだからなんだ。



「 羽奈、羽奈は俺を好きなの?」

「 好きだよ… 」



私が凛を好きなんて、まさかの気持ちだよ。

ずっと一緒にいすぎて、近すぎてわかんなかったんだ……

あ~ どうしよう、自覚しちゃうと……



「 やっと… 」

「 え?」

「 やっと羽奈が俺だけのになった!やっべー、最高に嬉しい! マジやべー!」



ギュッと抱きしめ返され体ごと揺らし喜び溢れる凛。

そんなに嬉しいのかと、私はただただ、びっくりだ。



「 凛、ねぇちょっと凛~ 」

「 じゃキスしよ羽奈!」

「 えー!?」

「 記念だろ 」

「 記念… そう?」

「 なんなの、俺を好きだろ?」



何その当然みたいなさ~



好きだろ?って… 自覚したら変にバリア張りたくなるよ。