大学からの帰り、友達の美世と歩いていた。

美世は大学入試で知り合って仲良くなった。

幼馴染みの頼を、彼氏ならいいなぁと言っていたが美世には彼氏がいるため特に何もなし。

逆に私がよく聞かれる、頼に恋心はないのかと……

確かに頼はイケメンで憎たらしいくらい完ぺきな奴だとは思う。

それでも、家族のような頼に恋はない。

美世はそれは男女だからいつか突然変わるかもしれないから逃がすなと言う。

そう言われても困る。

困ると言えば凛だ。



「 で、弟君はどう?素直に帰ったの?」

「 追い出したの、だって頼も凛も出入してたら勘違いされるし!ふしだらな女と思われたら嫌だもん 」

「 ほんとに心配だけかなぁ?幼馴染みとはいえだよ、男だし羽奈が好きなのかもよ 」

「 えー!ないない 」

「 そうかなぁ 」



美世はわかってない、あの二人は外面がいいだけだよ。

私が知ってる二人は…… ハハ。

私だからって平気でパンツでウロウロ、おならはするし、歯磨きせずに寝たりするし。

紳士の欠片もないよ。


私だってちゃんと女なんだから、あの二人が男だって意識はある。

でもそんな慣れた環境にいたせいで麻痺してるだけ。



「 ねぇ羽奈、イケメン兄弟どちらか選べって言われたらどっち?」

「 え… 」



美世に聞かれたが私は答えられなかった。

二人が大事だから、決められるわけない。