小指を耳へ突っ込んで見たが、頼は真面目な顔をしている。



「 もう1回言ってみてよ 」

「 羽奈、俺の彼女になってくれ 」



おかしい。

こんな台詞を私に言うとは……

どういう魂胆?



「 何企んでるの、鼻が膨らんだし!」

「 さすが幼馴染み。あと腐れなく頼めるのは羽奈だからさ~ てか、羽奈がいい。
羽奈じゃないと気持ち悪い、羽奈しかいない 」



喜んでいいかよくないかわかんない事をペラペラと!



「 事情は何よ 」

「 合コンでちょっと優しくしたら一目惚れしたとかで付きまとわれてんの… 彼女いるって言っても疑うし、いてもいいとか言い出すし、2番の女でも構わないとか… 」



それはまた…… すごい。

凛より上かも?



「 羽奈は幼馴染みだけど、世界中の女の中では1番だからな。
イビキもするし、歯軋りも… 寝相悪くて質悪いけど羽奈が1番だから 」



う… 嬉しくないんだけど!



話はまぁわかった。

大事な幼馴染みのため、仕方ないな。



「 わかった、いいよ 」

「 羽奈!助かる、じゃさっそくこの周りにいる奴等から騙すぞ 」

「 え?」



って、ちょーっと!!



頼はニコニコしながら私に抱きついた。

幼馴染みだから別に、私と頼、凛の間では普通な事。

でも、周りを騙すには……

最適な関係だったりするわけだ。