「日美!トイレ行こっ」 「あ、うんっ」 休み時間、真っ先に日美の肩をたたいたのは福山 舞香*フクヤマ マイカ*。 日美の中学時代からの親友だ。 「最近元気ないね。大丈夫?」 どことなく様子のおかしい日美の顔を、舞香は心配そうに覗き込む。 「大丈夫だよっ!ありがと」 そんな心遣いを嬉しく思いながらも、日美は胸の奥の不安を打ち明けられずにいた。 -…大丈夫。今日はちゃんと、家で寝続けられる 言い聞かすように、心の中でつぶやくと、とびっきりの笑顔で舞香の腕にしがみついた。