かけがえのない人



「あれ?山岸まだ残ってたのか」

「え、あ、はい・・・先生はどうして?」

動揺しすぎて、自分でもなんていっているのかよくわかっていなかった。

「ちょっと忘れ物してな」

そういって教卓の上においてあった日誌をとった。
日直がその日の授業内容などをかいてHR前に教卓の上においていく日誌だった。

「どんどん日短くなってるから、暗くなる前に気をつけて帰れよ」

日誌を手に取ると、先生はそのまま教室からでようとドアに手をかけていた。