「け、剣崎くんも浴衣……似合うね。」


そう言った後剣崎くんの方を見ると。
こっちを睨んでいた。


あっ、照れ隠し……。
睨んでる理由知っちゃえば全然怖くないや。


むしろ、可愛いかも。


ふと、笑いがこみあげてくる。
意外と分かりやすいんだなあ、剣崎くん。


「じゃ、じゃあ行くか。」


「うんっ。」


私の腕を掴んでいた剣崎くんの手が。
そっと、私の手に移動した。
温かい剣崎くんの手に私の手が包み込まれる。
その大きな手に、またきゅんとした。


身長大きいし、足も大きいから。
やっぱり手も大きいよね。


私と全然違う剣崎くんの手。
男の子の手でどきどきしちゃう。


「小梛ちっこくてはぐれそうだから、繋ぐな。」


「お、お願いします……。」


そのまま手を引いて少し前を歩く剣崎くん。
そのまんまる猫背が愛おしくて。
また、好きが大きくなっていく。