☆君との約束




「俺さ、莉華としたいことが沢山あるんだ」


「したいこと?」


「旅行とか……新婚じゃないけど、新婚旅行とか、行かない?」


「旅行……」


「結婚してからというもの、ずっと、莉華は考え込む生活ばっかりで……俺、忘れてないからね?『離婚してください』って言われたの」


「う゛っ……」


「前は言い返せる状況じゃなかったけど、今は色々とできる権力、手に入れたから」


自分に権力が集中しているって、気分良いよね。


ニコニコ笑ってそう言うと、莉華は身を引いて。


「陽向、黒いよ……」


「知ってるよ。これくらいが、御園で生きるには好都合ってこともね」


油断したら、自分の大切なものを傷つけられる。


なら、その前に叩き潰せば良い話。


「……莉華?」


笑って眺めていると、唐突に黙った莉華。


不思議に思って、顔を覗き込むと。


「陽向、格好良くなったねぇ……」


「え?」


そんなことを、呟いてて。


「どういう意味?」


「あ、いや、前も勿論、イケメンだったんですが!」


「そんなフォローを聞いているんじゃないよ」


呆れて、笑いが出てくる。


すると、莉華が。