「……分かった。本来、莉華と住む予定だったマンションに引っ越すよ。相馬を連れて……そこからでも、ここには通えるからね」 「お前、育児とかできるのか?」 「……」 陽希に突っ込まれて、一旦、口を閉ざす。 「……春馬と千華で経験あるし、大丈夫じゃない?」 これが、始まり。 少し先行きの不安なものだったけど、 俺は母親に見捨てられたこの子を、大切にしようと思った。