「君、似てるけど違うや」 莉華はそう言って、残念そうに笑う。 その笑顔は虚ろで、莉華の本当の笑顔からは遠くて。 “似てるけど” その言葉に、陽希は悩む。 (この場に陽向をつれてきたら……こいつはもとに戻るのか?) 陽希は今、ここに一人。 けど、本当は控え室に二人がいる。 一緒に来た妻と、弟が。 「猫ちゃん、私たちが探しておきますね。お名前は何て言うの?」 「名前……何だったかしら?」 頭を押さえて、莉華は首をかしげて。 「太陽みたいに暖かい名前」 と、言った。