☆君との約束




『あんたも死んでよっ!!』


『やめろ―……っ』


自身の口から、溢れる鮮血。


不思議と、自分の体が冷えていくのは怖くなかった。


怖かったのは、莉華が震えながら、泣いて、そして、死を覚悟している顔を見た時、全身がおかしくなるかと思った。


気が遠くなりそうな中で、今度こそという思いが、俺を支配していた。


『莉華っ、』


ほぼ、意地。


彼女を庇って、代わりに、また、刃を受ける。


刺された胸よりも少し上側、肩を刺された。


痛いを通り越して、とても、熱くて。


莉華は震えていた。


細い肩を震えさせて、涙を流して。


『何でっ、動け―……』


『五月蝿い』


そばに置いてあった、父から受け継いだ日本刀の柄を持って、鞘をつけたまま、女の横腹を強く打ち付けた。


軽く吹っ飛んだ女、そして、俺の声を聞き付けて、飛び込んできた陽希たち。


『陽向っ!!』


『っ、大丈夫だ』


この家の、父の子供だ。


普通の人間よりも生命力は強いし、簡単には死なない。


分かっていたから、した行動だった。


いや、父の子供じゃなかったら、動くことも出来なかったと思う。


『俺より、莉華を―……っ』


『馬鹿っ!』


陽希には怒られて、そして、仰向けにされる。


『お前は、それで莉華が―……』


『莉華さんっ!!』


魅雨の声が聞こえる。