『あんたも死んでよっ!!』
『やめろ―……っ』
自身の口から、溢れる鮮血。
不思議と、自分の体が冷えていくのは怖くなかった。
怖かったのは、莉華が震えながら、泣いて、そして、死を覚悟している顔を見た時、全身がおかしくなるかと思った。
気が遠くなりそうな中で、今度こそという思いが、俺を支配していた。
『莉華っ、』
ほぼ、意地。
彼女を庇って、代わりに、また、刃を受ける。
刺された胸よりも少し上側、肩を刺された。
痛いを通り越して、とても、熱くて。
莉華は震えていた。
細い肩を震えさせて、涙を流して。
『何でっ、動け―……』
『五月蝿い』
そばに置いてあった、父から受け継いだ日本刀の柄を持って、鞘をつけたまま、女の横腹を強く打ち付けた。
軽く吹っ飛んだ女、そして、俺の声を聞き付けて、飛び込んできた陽希たち。
『陽向っ!!』
『っ、大丈夫だ』
この家の、父の子供だ。
普通の人間よりも生命力は強いし、簡単には死なない。
分かっていたから、した行動だった。
いや、父の子供じゃなかったら、動くことも出来なかったと思う。
『俺より、莉華を―……っ』
『馬鹿っ!』
陽希には怒られて、そして、仰向けにされる。
『お前は、それで莉華が―……』
『莉華さんっ!!』
魅雨の声が聞こえる。


