「陽向の妹だったら、とっても美人になるだろうね!春馬くんも三歳にして、イケメンオーラが凄いし!!来年かぁ……楽しみだねっ!」


そんなことを、言い出して。


「楽しみ……楽しみ?」


「うん!……陽向は違うの?」


「いや……そうじゃなくて。楽しみじゃないかと言われたら、子供は嫌いじゃないから楽しみだよ?でも……」


「私の心配?―大丈夫。だって、陽向がいるから」


優しい笑顔。


いつも、笑っている莉華。


無理しなくていいんだよ、その一言で彼女が救われるなら。


「―愛してる、莉華」


「うんっ、知ってる」


君にどれだけの愛を注いだら、君は泣いてくれるだろう。


君の支えになりたいのに、何も出来ない自分がもどかしくて。


―何があっても、手放さない。


そう誓った、あの結婚式。


彼女の人生が、自分の傍にあることでボロボロになってしまうのなら、一層のこと、その誓いを破ることも考えるべきなのだろうか。


でも、


「大好きだよ、陽向」


自分の弱さを無意識に隠してでも、俺に甘えようとしてくる君は滅茶苦茶、可愛いから。


「あー、可愛さの暴力だ」


自分は結局、君を手放せはしないんだろう。


抱き締めれば、彼女は腕の中でクスクスと笑って。


「ずっと一緒」


「ん……」


「大好き、陽向」


君の笑顔を、守りたかった。


「約束。……ね?」


「……うん」


縋るように、額を合わせる。


『お互いを生涯、愛し抜く』


―君を一生涯、大切にしたかった。