「なら良いが……莉華さん」
「ひ、ひゃいっ!」
「……」
緊張しているのか、戸惑った返事。
「ブッ……」
思わず噴き出した俺を、莉華が小突いた。
「笑わないでよ」
「ククッ,いや、だって……おかしくて」
「緊張してんだよ……」
「する?」
「当たり前でしょ?」
うん、可愛い。
俺の彼女、世界一可愛い。
「ねぇ、莉華、部屋いこ」
「へ?」
「部ー屋!」
「でも今、話が……」
真面目ちゃんだね。相変わらず。
……そういうところが好きなんだけどさ。
「良いから。莉華に触れたい」
「えっ」
「ん?」
あ、直球過ぎたかな?
どんどん赤くなる顔。
莉華の表情はコロコロ変わる。
「……ダメ?」
「っ、ダメって言うか……それより、ご両親の前だよ!」
「うん?それが何?」
「ご両親との話が終わったらね?」
「えー、じゃあ、早く終わらせてよ」
両親の話とか、どうでもいいじゃん。
「……莉華のことは俺が一生守るから、挨拶とか軽くでいいのに」
「うっ……」
可愛いなぁ……。


