***



莉華が戻ってきてくれて、依と相馬との生活が始まった。


一生懸命慣れない育児を頑張る莉華は可愛くて、


依もたどたどしくも、莉華を『お母さん』と呼ぶ姿は可愛くて。


相馬はたまに本家に帰りながら、


傷つきながら、


それでも、母親に立ち向かうことをやめず。


だから、俺達は無理して、『お父さん』『お母さん』と呼ばせることはしなかった。


水樹と氷月が生まれて、一年と少し。


忽然と姿を消した、春馬。


それはきっと、心優しい弟の限界だった。


和子を救う術を探しに行ったとか、そんな話を聞いた。


春馬がいなくなったのは出張で、本家に相馬と依を預けた、約半年の間での出来事だった。


陽希も魅雨を連れて、別国への仕事。


父と母は言わずもがな。


春馬もいたし、俺を裏切ったと自責し、自死を図ったところを助けた使用人頭も手伝って、相馬と依を見てくれることになっていた。


御園の教育は受けさせず、勿論、普通に学校にも行かせるように、ちゃんと手続きはしていたはずだった。


御前が入ってこれないように、ちゃんと色々と手の込んだ規制もかけていた。


信頼していた。