そして、森に到着

まだ夜の明けていない、薄暗い空色

木が鬱蒼と生い茂っており、草花が生え、彩を与えている

「three・・・two・・・one」

またまた、やけに発音のいい英語で、悠がつぶやく

あたしたちは、先輩達とともに身を寄せ合い、敵の襲撃に備えた

「・・・zero」

その瞬間、あたしたちのいる場所よし少し前

草が生えている場所から、ふわふわと光が浮かんだ

「え・・・・・・?」

「な、なんだよこれ・・・・・・」

「リアスじゃねぇな」

「じゃあ、なに・・・・・・?」

全員が正体不明の光の玉を見つめる

水色の淡い光を放ちながら、その光は空中でぴたっと止まった

あたし達との距離は10m前後

そっと様子を見守る

ん・・・・・・?この光、どこかで・・・・・・

あたしが考えていると

「これ、まさか・・・・・・?

紅梨先輩が震えた声で呟いた

その腕はふるふると小刻みに震え、恐怖を表していた

「あれ、じゃないかしら・・・・・・」

『あれ?』

紅梨先輩を除く全員で聞き返す

「ドラゴン・・・・・・」

え・・・・・・?

どら、ごん?

「そんな・・・・・・流石にそんなのまともに戦えませんよ・・・・・・!」

「でも、これであたしらが逃げたら人間界に被害がおよぶぞ」

「そうだよねー。それに、この秘密のミッションのこともバレちゃう」

あたしの弱気な発言に、美里と和也先輩が否定した

ふたりの言うことはもっとも

なら、あたし達が今すべきことは・・・・・・

「ドラゴンに対して、全力でぶつかるしかない・・・・・・な」

「そうですね・・・・・・それしかないわ」

陸先輩の、決心したような口調を纏う言葉に、紅梨先輩は頷く

「それしかないようね・・・・・・」

聖理奈も頷く