そう話して、杏奈はあたしたちの隣の列の自分の席に座った

そして、スクールバッグから文庫本を取り出し、読み耽る

「特別テストは、実技と筆記の2つだったわよね?」

「ああ。しかも、実技は魔物相手、筆記は魔法界の名門、国立セルリア学園の入試試験並みのレベルだ・・・・・・」

顎に手を当てて、不思議そうな顔で考え込む美里

セルリア学園・・・・・・憧れの魔法学園

いつか行きたいた思っている、魔法界の超名門校

でも、少し前に誰かからこの学園の名前を聞いたような気がするわね・・・・・・誰だったかしら?

あたしも考え込んでいるうちに、時間は経ち

八時───生徒の集合時間になっていた

「おはよー」

いつの間にか、春香を含む全員が揃っていて、水野先生が元気よく入ってくる

教卓に立ち、出席簿をその上に置いた

『おはよーございます!』

「うんうん、元気な挨拶ありがとー!さてさて、今日はお知らせがありまーす!実は───」

水野先生の言葉は、そこで途切れた

なぜなら

突如、そこから突き上げるような揺れが、学園を襲ったからだ

「きゃっ」

「うわっ」

生徒達が混乱する中、「机の下に!」という水野先生の声が聞こえた

あたしと美里は、さっと机の下にかくれる

あら・・・・・・?

なんであたしは、右を見たのかしら?

いつもは美里の方を向いているはず

なんで?

ぐらぐらぐら・・・・・・

揺れは一向に収まらない

ちらっと美里をみた瞬間

その背景に写った姿に、息を飲んだ

「魔法界の・・・・・・魔法使い」

窓の外に