「昨日の期末試験、どうだった?」

「良くもなく、悪くもなく・・・・・・ね」

「んな事言って、毎回一位かっぱらっていくのはどこのどいつだよ」

「あら、そうだったかしら?」

会話をしながら、あたしと美里は五年生の教室、あたしたちのクラスにたどり着く

「おはよう、聖理奈、美里」

ドアの近くにいた杏奈が挨拶をしてくれる

「おはよう、杏奈」

「はよ・・・・・・ん?春香は?」

「春香は、先生のプリント運びを手伝ってる」

いつも一緒にいる春香について美里が聞くと、杏奈は静かに答えた

ふふ・・・・・・春香らしいわね

あたしたちは席に着き、杏奈は机の前に立った

「昨日の期末試験、難しかったわね」

「そうね。特に最後の特別テストが」

「だな」

杏奈もそうでしょ?と聞こうとして、顔を上げると

彼女らしからぬ、ぽかんとした顔であたし達を見ていた

「どうかしたの?」

「特別テストなんてしてないわよ」

きっぱりと、言いきられた

「え?」

「いや、んなわけねぇだろ。特別系の全員で放課後やったぞ」

訝しげな顔で杏奈を見つめる美里

そうそう、あたしの右隣の椅子、空いてるのよね。このスペース

ここに座ればいいのに・・・・・・杏奈はなんで座らないのかしら?

とかなんとか思いつつ、あとで水野先生に聞いてみなくては

「水野先生に確認しましょう」

「だな。テストの内容が違うとなれば問題だろ?」

「そうね」