「陽向くん、この後急ぎの用事があるって聞いたよ。そんなしつこくしたらもう会ってくれないかも」



「そっ…そうかな。わかった…また、カラオケ行こうね。じゃあ先に部屋に戻ってる」



俺の腕を掴んでいた女は慌てて部屋に帰って行った。



「ふー。誰だか知らないけどありがとな」



女はクスッと笑うと俺の背中を押した。



「まりあ」



「あ…あー。まりあちゃん、ありがとな」



そうすると、にっこりと微笑む。



「ううん。私もちょうど帰るところなの、途中まで一緒に帰ろう」




「おっけー」



とにかく急いで帰らないとな。



部屋のやつらに帰ると連絡し、千衣にも連絡を入れた。