「行きたくないの?」



「別に。ここで千衣と話してる方が楽しい」



「えっ…本当に?」



ほわぁ~とした表情がなんとも愛くるしい。



嬉しいのか?



そうだとしたら、俺もすげぇ嬉しい。



「陽向くん…一緒に宿題でもしよっか」



なんとも色気のない会話。



けどそこが千衣らしいというか、なんというか。



「持って来てねーもん。千衣がやるなら、横で見てる」



「取って来る?」



「いや、そこまでは…」



このふたりっきりの時間を、宿題なんかで潰したくないのが本音。



なにが悲しくて勉強会だよ。