「はい、そーですね」



ニヤニヤしながら返事をしたあと、もうスマホは鳴らなくなった。



「静かになった…」



「今日彼女の家に泊まるから邪魔すんなって送った」



ええええっ?



「ははっ、ウソ。ちゃんと断ったから。千衣の不機嫌の原因だもんな」




「違うよ…別に、そんなんじゃない…」



「今日もだけど、今にも泣きそうな顔してる。それだけ俺のことが好きだって…自惚れてもいい?」



陽向くんの手が伸びてきて、あたしの頬に触れた。



…そういうこと。



それだけ、陽向くんのことが好きなんだ。