さっきの女の子とのやり取りに、イライラしてるのかな。



ううん…自分でもよくわからない。



「陽向くん、スマホいっぱい鳴ってたよ。連絡した方がいいんじゃない?」



なんて遠回しな言い方。



陽向くんはベッドの上に置いたままのスマホを取り上げた。



「あー…こいつか」



こいつってのは、さっきの女の子のことだよね。



同じ学校の子なのか、上級生なのか下級生なのかそれすらあたしにはわからない。



それでもただひとつわかっているのは…陽向くんを諦められない女の子のうちのひとりだってこと。



こんなの、氷山の一角だよね。