「お前、喋り過ぎ。失せろ」



プイと顔を背けるも、男の子は陽向くんの肩をモミモミしてご機嫌をとろうとしている。



「邪魔してごめんって。森本さんかわいいから、つい話しかけたくなるよな」



かわいいなんて、そんな…。



「こいつは、そんなんじゃねぇの」



そういう対象じゃないってことだよね。



わかってるけど、そんな言い方されると辛い。



「怪しいな、陽向…なんでそんなムキになってんの?」



「別にムキになってねぇし」



ふたりの会話を聞いてるあたしがドギマギするよ。



「あっ…あたし、行くね。調べ物終わったし…」



図書室で借りようと思っていた本数冊を腕に抱えて立ち上がる。