「決めたー。ここ」



もう、どこでもいいのかって思う。



陽向くんはグラウンド脇のフェンスを背にして座り込んだ。



「えっ…ここなの?」



一応木陰にはなっているけど、草は生い茂り正直座れるような場所はない。



「やだった?ここなら人も来ないかなと」



「来てもいいよ。ねぇ、いつも行ってるところでいいよ」



あたしは教室でしか食べないから、ランチスポットが全くわからない。



「いーけど。そこら中、俺の友達いっぱいいるしー。お前、さらし者だぞ?ジロジロ見られんの嫌なんだろ」



うっ…。



それはそう。



さっきから人目を避けたがっていたのは、あたしの方だった。



だから、陽向くんは…。



「ありがと。ここでいい」



ちょこんと、陽向くんの隣にしゃがむ。