吸い寄せられるように…キスをした。



また…長い。



バサッ！



手から力が抜けて、回覧板を地面に落としてしまった。



「ストップかけんなよ」



苦笑しながら、陽向くんが下に落ちた回覧板を拾う。



それを受け取り胸の前に抱え込んだ。



「わざとじゃないもん…まっ、また明日ね！これ持って行くから。ばいばい」



回覧板は、陽向くんとは反対の家に持って行かなきゃだから急いでこの場を離れた。



陽向くん…やっぱり強引！



このままだと陽向くんのペースに持っていかれちゃう。



しっかりしないと…。



家の前でキスとか！



しかもあんなに長い…。



あ、にやけちゃう。



隣人に回覧板を渡しながら、ふにゃふにゃ笑っていたあたしはかなり怪しかったと思う。