「分かってるよ。海だから大丈夫」


「ホンマ??嫌になったらすぐ帰ってえぇからな?」


心配しすぎで顔色おかしくなってる。


そんな海がおかしくて、クスクス笑う。


「何がおもろいねん。俺はメッチャ真剣や」


付き合いたての高校生カップルじゃないんだから、そんなしどろもどろになって誘わなくたっていいのに。


海って意外とそういうことに慣れてないんだ。


「ごめんごめん。つい」


「失礼やな。こっちは人生で3番目に緊張しとったのに」


3番目?


ビミョー。


「一番目と二番目は何なの?」


「彩羽にコクった時と、面接」


面接、意外なランクイン。


「コクったで思い出したけど、私はもう海のこと利用してないからね??本当に好きで海と付き合ってるから」


これはちゃんと伝えなきゃいけないことだ。


ずっと言えなかったけど、やっと言えた。


「なら良かったわ。利用してみて正解やろ?」


「まぁね」


こんなに海に惚れるなんて、思ってもなかったからなぁ……。