「買ってきたで」


私が椅子に戻ってから5分後くらいに海が戻ってきた。


「さっそくつける?」


私の頭の中はそれどころじゃない。


ネックレスのことが気になりすぎて仕方ない。


いつ渡せばいいんだろ。


「俺がつけたるわ。手ぇ出して」


言われるがまま右手を出す。


海の手がそっと私の手に触れる。


ドクドクドク…


それだけなのに心臓が暴れてる。


「メッチャ似合ってるで」


右手の薬指に輝く指輪。


いつかは左手の薬指が輝きますように。


もちろん、海の指輪で…。