ドンッ


「すみませーん!!」


誰かにぶつかったけど、ろくに顔を見ずに通りすぎる。


急がなきゃ!


「彩羽!?」


名前を呼ばれて急ブレーキ。


誰だか知らないけど、喋ってる時間は……


「彩羽やろ?」


懐かしい関西弁に振り向くと、海だった。


5年前の記憶が鮮明に蘇る。


5年前、私は海に謝罪した。


そして別れた。


それ以来1度も会ってない。


「……久しぶり…」


気まずさしかなかった。


申し訳ないことをした。