「お久しぶりです。今日は凛花のハタチ誕生日だから来ました」


渚さんももうハタチか……。


一歳しか変わらないのに、すごく大人みたいだ。


「ちょうどよかった。今からお祝いするところだったの。渚くんも一緒にどう?」


「…俺はいいです。お線香だけ」


昔はお母さんの誘いを断ることなんてなかったのに。


これも仁科彩羽のせいじゃないの?


仁科彩羽のことが好きだから……。


だから…。


「そう?じゃあどうぞあがって」


その時、渚さんと目があった。


私は反らさなかったのに、渚さんはふいっと反らした。


「久しぶり……。元気だった…?」


和室に入る渚さんの後をついて聞く。