静かになる部屋。
相変わらず仁くんは私から離れてくれない。
「………美桜、またねって意味知ってる?
次も会う約束の意味も含まれてるんだよ?
僕がいながら浮気をするつもりなのか?
絶対に僕はあいつと美桜が二度と会えないようにしてやるからね。」
な、ん、でそうなるのってば!
「浮気するつもりないし私が仁くんのことしか好きじゃないの知ってるでしょ!?」
仁くんに言い返すため、何も考えずに口にしたこの言葉…………
言った後に気づいた。
私今、超恥ずかしいこと言わなかった!?
「美桜、いまなんて言った?
初めて僕に好きって言ったよね!?」
やっぱり仁くんは食いついてくる。
「言ってない!空耳!」
「いや、絶対言ったね。
僕の耳は地獄耳だから今も美桜の声と一緒に言葉が耳に残ってるよ。」
うわ最悪だ。
顔の温度が上昇する。
だけどそういう時に限って仁くんは私をくるりと半回転させて……
ニヤッと笑う仁くん。



