「………慎二?」
「いや、ごめんごめん。なんか美桜がこんな楽しそうなの初めて見るなって思って。」
…………楽しそう?
この状況が!?
「楽しくない!笑ってないで仁くんどうにかして!」
「今はそう言ってるだけで本当は気づいてるんじゃない?」
慎二はそう言うと立ち上がった。
「………俺、もう帰るわ。
さっきも言ったけど美桜と話せて良かったよ。またどこかで会えたらいいな!」
慎二は笑いながらそう言ってドアに手をかけた。
私も何か言わないと……!
「………慎二!……その、またね……。」
あああ!
もっと気の利く言葉を私はどうして言えないの!?
だけど慎二は笑って
「おう!またな。
お兄さんと莉緒ちゃんには俺から話しとくから。」
と言って部屋を出た。



