「ほら莉緒?そんなこと言って仁くんを困らせないで。」
「嫌だ。だって私この人嫌いだもん。
何考えてるか全然わかんないし。」
………なるほど。
莉緒は自分と似たような性格の人だと嫌いになるタイプなのか。
まあ本性は知らないけどね。
「素直に傷つくなぁ。」
仁くんは困ったように笑った。
「私が唯一お姉ちゃんの交際を認めたのは慎二(しんじ)くんだけだから!」
………慎二くん。
その言葉に反応する私。
それは私の本性を知る数少ない人物であり………いわゆる元カレってやつ。
莉緒は今更、慎二の名前を出してどういうつもり!?
それに仁くんに元カレの話は絶対しちゃダメだのに……!
「…………慎二、くん?」
やっぱりすぐさま反応を示す仁くん。



