「美桜?どうしたんだ?
顔、赤いけど。」
そう言って私に歩み寄る仁くん。
「……っ、な、なんでもないからあっち行って!」
「もしかして、照れてる?」
わざと私をからかうような言い方だった。
いつのまにか閉めたドアまで追い詰められている私。
急いで仁くんから視線をそらし、俯いた。
「美桜、こっち向けよ。
お前がお望みの俺になってやってるんだけど?」
これは、完全に仁くんのペースに飲まれてしまった。
「う、うるさい…!この二重人格!!」
「………だから俺言ったよな?美桜が望むのならドMにでもドSにでもなるって。」
そう言ったところで俯く私の顎を持ち上げた。
そこには獲物を捕らえた狼のような表情の………
仁くんがいた。



