いつのまにかステージ裏から客席に来ていた沙彩と菜々子が心配そうに私を見ている。
これは、終わった……。
まさかこんな終わり方をするなんて。
これからの学校生活、私がちやほやされる日々が終わる。
そう確信し、どうすることもできなくて黙っていたら
「何も喋らないじゃん。」
「まあ否定しても動画あるしね。」
なんて声が聞こえてくる。
逃げたくない。
それはプライドが許さない。
かといって言い訳も見苦しい。
もう無理だ、泣きそう。
泣きたくないのに………
そう思っていたら急に客席から悲鳴にも近い歓声が聞こえてきた。
振り向くと、ステージ裏から今度は………仁くんが出てきた。



