「あ、いや……嬉しいです。 本当に鈍感なんだね。」 男は緊張がほぐれたように笑う。 鈍感? そんなの作ってるに決まってるじゃん。 「よく言われるけど私、鈍感じゃないよ?」 「うん、気づいてないところがすでに鈍感だよね。」 この男、もうすでに私と仲良くなれたと思ってない? すっごい迷惑なんですけど? どうしようかと思っていたら…… 「美桜。」 と低い声が近くから聞こえてきた。