「仁くんって本当に良い人すぎだよね。」
「………そうかな?
だけどそんな考え方をできるようになったのは美桜と出会ってからだよ。」
仁くんはそう言って笑った。
「ううん、たとえ私がきっかけだったとしても仁くん自身が自分を変えたんだよ。」
「それでも僕は美桜のおかげだと思ってる。
ありがとう。」
そして仁くんの手が私の頬に優しく触れた。
「美桜…………大好きだよ。」
ゆっくりと仁くんが近づいてきて、唇が重なる。
今はもう、周りに人がいるとかそんなの気にならなかった。
そのキスは、とても優しいもので、同時にとてもあたたかく幸せなものでもあった。



