ちらっと盗み見ると真剣な顔つきで映画を見ている仁くん。


絵になるなぁ。


黙っていたら本当にかっこいいし自慢の彼氏なのに。


どうして性格が残念になっちゃったのかな………


「………美桜?」


すると突然仁くんが私の方を見た。


しまった。
つい見すぎて視線を感じてしまったようだ。


「な、なに……?」
「いや、さっきから視線感じるなって思って。」


今度はじーっと私を見てくる仁くん。


「私じゃなくてスクリーンを見てよ。」
「やだよ、先にスクリーンから視線を外したのは美桜でしょ?」


仁くんはいたずらっぽく笑う。


そして私の頭の後ろに手を回して引き寄せ、キスされる。


その時初めて一番後ろに誰もいなくて良かったと思った私。