どんどん人は増えていき、気づけば満員になる電車。
だけど仁くんはわざと私をドア付近に追いやって隙間を作ってくれる。
そういうところ、本当に優しいな。
「………美桜、大丈夫?」
超至近距離に仁くんがいる。
冷静でいられるわけがない。
「………うん………」
「美桜?顔赤いけど………あ、もしかして」
「いちいち言葉にしないでよね。」
仁くんは私の反応を見て楽しんでいた。
「………キスしていい?」
「ダメです、ここ電車。しかも満員電車。」
こんな美男美女を見ないはずがない。
今も周りから見られてるし。
視線をすごく感じる。



