それでも私は我慢して仁くんから離れて歩き出した。
「美桜はどうしてそんなに冷たいんだ?」
そう言ってとぼとぼと歩く仁くん。
かと思えば突然何かを思い出したかのような顔をして、今度はニヤリと笑う。
「まあいいか。
明日の夜はまた立場が変わるからね。
主導権は僕だから。
ああ楽しみだな、明日は今まで以上に甘く鳴いて色々な美桜を僕に見せてね?」
「い、今言うな!
じゃないと明日すぐ寝てやる!」
「そんなこと言ってさ………僕が美桜を寝かせるわけないよね?」
「………っ!!」
仁くんはこうやっていつも私を惑わす。
心臓がもちそうにない。
突然男らしく強引な姿を見せる仁くんは心臓に悪いのだ。
とにかく明日が待ち遠しいのと同時に、ドキドキが中々おさまらなかった………。