「あんたが私じゃなくてお姉ちゃん狙うってことぐらいわかってんのよ。
お姉ちゃんを狙ったってことはそれなりに覚悟できてるわよねぇ……?」
「ひっ……!」
「お前馬鹿だろ。
美桜を狙ったのが間違いだったな。
美桜には溺愛3人組がついてるんだから。
相手が悪かったってこと。一生悔やめ。」
………そのあと兄の声も聞こえてきて、なんとなくわかった気がした。
「仁くんが急に態度変わったの………わざとなの?」
「わざとに決まってるだろう。
それ以外何があるんだ。
僕が美桜しか見えてないってことくらい美桜が一番わかってるって信じてたのに……」
その瞬間、私の涙腺はまた崩壊してしまった。
「………っ、仁くんのばかぁ!
ずっと苦しかったんだから!演技うますぎだよ!
それなら少しくらい匂わせてくれても良かったじゃん!」
「ごめんね美桜、泣かないで。
苦しかったのは僕も同じだよ。
じゃないとあの男を無視していたら必ず美桜が危険な目にあうと思ったから早めに駆除しとこうって美桜の兄妹と決めたんだ。」
………じゃあ、私が部屋で泣いていた時。
妹は理由を知っていたってこと?
じゃああの時少しぐらい言ってくれても良かったのに………!!



