私から佐久田を引き剥がしたのも、殴ったのも仁くんだった。
すると今度は
「美桜!」「お姉ちゃん!」と言って兄と妹が私の元へと駆け寄ってきた。
なんで2人もいるの……?
呆然としていたら、仁くんがすごく怒った顔で佐久田の胸ぐらを掴んだ。
「てめぇ、何しようとしたかわかってんのか?」
それは誰もが怯えるくらい低く怒りが含まれている声だった。
どういう、こと………?
「おい、あまりやり過ぎるな。
それくらいにしとけ。」
危険と感じた兄が仁くんと佐久田の間に入る。
するとやっと仁くんは佐久田を離し、立ち上がって………
私を見た。



