「お前、俺の女に何手だしてんの?」


その時、近くでドスの効いた低い声が聞こえてきた。


さすがの私も驚いて声のした方を向くと………


そこには明らかに怒っている仁くんがいた。


これは嫉妬、と捉えていいのかな?


だとしたら勝ったな。
作戦成功だ。


「手は出してないよ?口説いてるだけ。」


達也先輩は私の肩に手を回し、私を引き寄せる。


普通は気持ち悪い、って思うところなんだろうけどナイス!って思った。


どんどん仁くんに嫉妬させて私に溺れさせてやる。


そう思っていたから。