「………やっぱり美桜は優しいね。」
「別に、これが私だし。」
そう言ったところで一瞬体が宙に浮くような感覚になり、そのまま傾いた。
気づいたら仁くんに押し倒されてる形になる。
「………。」
「………。」
しばらくお互いが見つめ合う。
言葉にできない私だからせめて行動では素直になろうと思い………
仁くんの首の後ろに腕を回して上半身だけ起こし私からキスをした。
そして離れて仁くんを見ると………
いつもの余裕そうな顔と違って、ほんのり頬を赤らめていた。
これは、もしかして………
「仁くん……?」
「あー、やばい。今のでいつもより余裕なくなったよ。」
そして仁くんがまた私に覆い被さる。
「………美桜。」
低くて甘い声が私の耳元で囁かれた。
まだまだ私たちの夜は長く、同時にとても幸せな時間になりそうだった…………。