「そんな僕も、父さんも変われたのは美桜がいたから。
だから感謝してもしきれないなって話がしたかっただけだよ。
正直言ってどうでもいいことだろう?」
仁くんの最後の質問に首を横に振る。
「何言ってんのよ……
私だって何もしてない。ただ恵まれて育っただけの人間だもん。
自分に自信があって当然でしょ?
だからちやほやされるのが好きで当然でしょ?」
「………どうかな、僕はそんな美桜がすごいって心から思ったし。
ましてや性格を作ってたなんてもっとしんどいと思うけどなぁ。」
仁くんは人を僻む、という言葉を知らないのかな。
私と仁くんは住んできた環境が違う。
私は恵まれてきたから性格が曲がってる。
だけど仁くんはそういう面に対しては真っ直ぐで素直でとても優しい人。