ーー「うわぁ、綺麗……!」
仁くんの姉が言っていた通り、ホテルの最上階から見る景色は本当に綺麗だった。
ホテルの部屋もびっくりするぐらい広いし。
「本当に綺麗だね。
だけど僕は美桜の方が綺麗だ。」
私はホテルの外の景色を見てるというのに、仁くんはその間ずっと私の横顔を見ていた。
「……もう!今日泊まる予定なかったのに!」
「それは僕もだよ。嬉しいね?まだいられるなんて。」
そう言って笑う仁くんから逃げるように、私は先にお風呂に入った。
その後に仁くんが入り、その間にテレビを見ながら髪の毛を乾かす。
「………。」
そんな中私はため息をついた。
さっきお母さんに電話して反対してもらおうと思ったのだが、まさかの即オッケー。
しかも快く、だったし。



