「ここのホテルからみる景色はいいわよ〜?」
「今日は特別な日だ。最上階を予約してあるからね。」
仁くんのお父さん、姉がニヤリと笑う。
その笑い方といい、考え方といい、仁くんと重なった。
「………あのー?私はそろそろ帰ろうと……」
「美桜、何を言ってるんだ。
今日は僕の誕生日なんだよ?最後まで祝ってくれるよね?」
仁くんが私の腕を掴んだ。
これはもう逃げられない。
「じゃあね、2人とも。今日は本当にありがとう。」
「お幸せに〜!」
「今日はゆっくりするんだぞ。明日は休日なんだから。」
私が何かを言う前に仁くんに腕を引かれ、レストランを後にした………。



