「じゃあ乾杯しましょう!」 私の一言で2人に笑顔が戻った。 「そうだな。」 「そうね……!」 ふふっと笑って、みんな仁くんの方を向く。 「仁、改めて17歳のお誕生日おめでとう。」 「おめでとう仁。いつのまにか立派な男になっちゃって。」 「仁くんおめでとう!」 3人とも仁くんに笑いかけた。 すると……… ふっ、と仁くんの顔が綻んだ。 その笑顔は今までのどの笑顔よりも優しくて、嬉しそうで、素敵なものだった。 「ありがとう。」 その笑顔に嘘偽りはない。 心からの笑顔だった。